DAIDO SLIDE

本書は、1999年にサンフランシスコ近代美術館で開催された「Daido Moriyama: Stray Dog」展でスライド上映されたフィルムが、四半世紀を経て再発見されたことを契機に制作されました。同展はその後、アメリカやヨーロッパを巡回し、森山大道が世界へと歩み出し、国際的評価を確立する大きな転機となりました。

本書には、当時（1999年）に森山自身が選び、スライドフィルムに焼き付けた140点の作品を収録。編集・造本設計・出版は、日本を代表する造本家・町口覚が手掛けています。

表紙には、森山の代表作《三沢の犬（Stray Dog）》を採用し、表焼きと裏焼きの2種類のデザインを制作。1971年に青森県三沢市で撮影された本作が世に広まる過程で生まれた二つのヴァージョンの存在を象徴しています。

さらに、世界の第一線で活躍する4名のキュレーターによる森山との出会いを綴った英語のエッセイを収録。森山自身がこれらを読み返し、当時を振り返る貴重な談話（英語）も併せて掲載されています。

日本国内版の特典として、すべてのテキストを翻訳した和訳冊子が付属しています。

寄稿者
サンドラ・S・フィリップス（サンフランシスコ近代美術館）
エルベ・シャンデス（カルティエ現代美術財団）
サイモン・ベーカー（ヨーロッパ写真美術館）
チアゴ・ノゲイラ（モレイラ・サレス財団）