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柿崎真子|音のはじまり

2026年1月17日(土) - 2月22日(日)
©柿崎真子/Masako Kakizaki
2026年1月17日(土)− 2月22日(日)
水曜−日曜 13:00-18:00 ※1/31(土)はイベント開催のため17:30クローズ
月・火・祝 休廊
オープニングレセプション: オープニングレセプション:2026年1月17日(土)18:00-20:00

Introduction

POETIC SCAPEでは2026年1月17日(土)から2月22日(日)まで柿崎真子「音のはじまり」を開催致します。POETIC SCAPEでは2回目の個展となります。

前作「アオノニマス」で柿崎は故郷の青森の風景を被写体にえらびました。タイトルは青森とアノニマスを合わせた造語です。このタイトルが示すように作者は特定の土地から人間が与えた記号や場所性を剥ぎ取り「アノニマス」に近付こうと試みています。

7年ぶりの新作である「音のはじまり」は、そうした青森という場所からいったん距離を置き、身近にある風景に目を向けたことから始まりました。新型コロナウィルスの流行で否応なく外出や旅行が制限された時期、改めて身の回りを見つめたことがきっかけでもあったといいます。そして身近な風景は多くの発見や喜びに満ちたものでした。
柿崎はそのような風景をありのままに見て受け入れようと撮影を行います。そして、目の前に人間とは違う世界が在る、ということを体感するようになりました。あるものをただ見ること、判断せずに受け入れること、その態度はひたすらに耳を澄ませる行為に近いのではないでしょうか。

 日本では古くから、自然と生活は切り離せないものとして捉えられてきました。森そのものを対象に敬い畏れる自然信仰や原始神道の感覚は、かたちを変えながらも現在に至るまで底流として息づいています。アニミズムや曼荼羅に見られるように、そこでは人間も自然も区別されることなく、すべてが同時にあるものとして構成されています。
 一方で、植物生態学を基盤とした近年の研究からは、植物が環境を感知し相互に作用しながら共生のネットワークを築いていることも明らかになってきました。ここでの森とは人間とは異なる構造で進化してきたひとつの社会として立ち現れます。

 すぐそばにありながら異なる時間と論理で生きるその世界を、理解しようとするのではなく、柿崎はただその前に立ち、受け入れる態度を選びます。タイトルにある「音」とは、そうした異なる社会と人間とを隔て、同時につなぐものなのかもしれません。それは明確なかたちをもって現れるものではありません。しかし、意味や言語として捉えられる以前のありようとして、写真の中に静かに立ち上がっています。

Event

ギャラリートーク|柿崎真子×小高美穂(キュレーター)

《関連イベント》
ギャラリートーク|柿崎真子×小高美穂(キュレーター)
日時:2026年1月31日(土)18:00〜19:30
場所:POETIC SCAPE
要予約、定員20名
参加費用:1,500円(トーク終了後ミニパーティあり)
※お申込は専用フォームより承ります(ウェブサイト、SNSにリンク掲載)

Profile

柿崎真子
Masako Kakizaki
 1977年青森県青森市生まれ。秋田大学教育学部卒業後、東京綜合写真専門学校にて写真を学ぶ。近年の主な個展に、ヴィジョン・オブ・アオモリvol.16『アオノニマス 潜』国際芸術センター青森/青森(2018年),『アオノニマス 界』馬車道大津ギャラリー/神奈川(2015年)など。他グループ展参加多数。私家版写真集を経たシリーズ集大成として『アオノニマス 廻』を2018年蒼穹舎より刊行。2025年、写真集『音のはじまり』を7年ぶりに発表した。